文字の書体(フォント)は、世の中に数多く存在します。
書類やスライドなどをパソコンで作成する際に、どんなフォントを使ったら良いのか迷ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回お話しさせていただく事務所ロゴは、使用するフォントによって顧客や取引先からの印象を大きく左右することになるのでとても重要です。
多くの場合「そういうのはデザイナーさんにお任せします」という感じだと思います。
もちろんデザインの専門家として、クライアントの意向に沿ったフォントを選んでくれると思いますが、デザイナーによってはコミニケーションが上手くいかず書体選びが難攻したり、数年経ってちょっと違うなと思うことがあるかもしれません。
そういったトラブルを未然に防ぐためにも少しフォントの知識を身につけてはいかがでしょうか。
今回は数あるフォントの中から、欧文(英語)フォントではなく日本語フォントについて、事務所のロゴによく使われるものに限定した書体の系統3つをご紹介します。
ゴシック体|先進的で安定感がある万能型書体
ゴシック体は縦と横の線が同じ太さの書体です。 多くの企業や団体で仕様されており安定感、先進的、カジュアル、力強い、親近感といった印象を与えます。 「視認性」が高く遠くからでもしっかりと字が認識できるのが特徴です。
デザインのポイント
線の太さよって男性的、女性的かのイメージを調整できます。
太くなるほど男性的で力強い印象になり、細くなると女性的で繊細な印象になります。しかし、あまり細いと看板などにした時に視認性が弱くなりますので注意が必要です。
太い文字のままでやさしく親しみのある印象にしたい時は、文字の色を薄くすると効果的です。
線の先が丸くなっている丸ゴシックは親近感や柔らかなイメージがさらに強くなります。女性や高齢者を顧客ターゲットにしたい場合は効果的です。
明朝体|知的で高級感を漂わせる書体
明朝体は縦線より横線の方が細く、横線の右端や曲がり角にウロコと呼ばれる山がある書体です。
ゴシック体に比べ視認性は劣りますが、線の太さが違うことにより文字の形状がわかりやすく読みやすい書体です。
新聞や書籍など長い文章に多く用いられ知的な印象を漂わせます。
また、線の太さの違いやウロコなどは装飾性を高めるので高級感、上品さ、クラシカル、華麗といった印象を与えます。
デザインのポイント
明朝体の場合、書体の太さ(W1,W9,L,B,細,中細などで表記される)について、あまり太いものを選ぶと縦線やウロコだけが太くなってしまい、明朝体の持つメリットが失われてしまいます。
文字を薄い色にすることも同じく視認性がさらに悪くなるので注意が必要です。
女性的で柔らかさを残しながら、明朝体のような知的な雰囲気を出したい場合はフォーク体が最適です。
楷書体|デザインによって和とモダンを融合
書道などで学ぶ楷書を印刷書体にしたのが楷書体です。
楷書体を用いたロゴは普通にいくと古臭い印象になってしまいます。
しかし、欧文との組み合わせや思い切ったデザインアレンジなどを加えることで、伝統的でありながら知的でモダンな雰囲気を作ることができます。
デザインのポイント
楷書体よりスッキリした書体に教科書体があります。こちらは親近感があり優しい印象になります。
同じく楷書体に近いものに行書体がありますが、これは視認性・可読性ともに悪く、形状もアンバランスなのでロゴマークには向いていません。
まとめ
事務所のロゴに最適な3タイプの書体をご説明しました。
対外的にどのような印象を与えたいかによって選ぶフォントが変わります。
これは、ホームページや印刷物にも同じことが言えます。
ロゴマークはブランディングにおける初めの一歩です。
事業の将来を考えながらしっかりと選んでいただければと思います。